2011年02月12日

実写版あしたのジョー 批評

原作に嵌まった世代として、ジョーの実写化はヤマト以上に疑問符だった。ただ、監督が曽利監督だったので期待したのだが…。
時代背景は原作に忠実なのだが、あの時代の雰囲気はこの映画では違和感でしかなく、山ピー、伊勢谷、香川のメイン3人の熱い役者魂は感じるが、役者の雰囲気があの時代にマッチしていない。特に、葉子役の香里奈はミスマッチである。また、ところどころ、平成の雰囲気が画面に現れると時代背景に違和感を感じてしまう。あの時代を見せるなら徹底して欲しいところだ。
話しは原作をなぞるように、少年院?、出所、デビュー戦、金串戦、力石戦へと原作に近い感じで進む、試合シーンは痛々しさも伝わって良いのだが、ノーガード戦法はもう少しジョーの駆け引き感を出して欲しかった。打ちあい中に心中的なセリフを入れると打ち合いの場が薄れるとは思うのだが、原作が漫画であり、漫画的な展開であるなら漫画的な演出にした方が曽利監督の持ち味であるおもしろい演出が観れたと思う。
ここからネタバレ
個人的にこの映画の残念どころは最後の力石戦。力石戦は戦っているラウンドが何ラウンド目なのか一切描写がない、しかもあっという間感が強かった。なにより力石戦の見せ場である、テンプルへの一撃から後頭部をロープで強打する部分やトリプルクロスのアッパーのあっさり感は物足りない。そして、最後のトリプルクロスは二人の駆け引きが見たかった。あのシーンはダブルクロスを狙うジョーのさらに上に行く力石との駆け引きが見せ場であり、その見せ場である緊迫感が画面から伝わってこないのは残念である。個人的に最後のトリプルクロスはアニメ版みたいなパンチを繰り出した後の汗の流れによる緊迫感は最高であり、それに近い感じのものが欲しかった。
力石の死後以降は蛇足でしかなく、映画なりの新しい展開で終わるのかと思いきや捻りもなく終わったのは消化不良にしか思えない。ただ、あしたを感じさせる山ピーのアップはジョーらしい終わり方だった。
個人的には物足りなさが多く中途半端さは否めないが、熱い役者魂に免じて40点。内容だけなら20点。
気になったところ
●少年院にて豚の脱走が無い。
●初のクロスカウンターの構図がアニメと一緒で良い。
●ジョーの練習着が原作と一緒で笑った。
●宇多田ヒカルのEDは違和感でしかない。

Posted akei : 2011年02月12日 02:49 | 【cinema

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